宇陀「海神社」本殿の修繕支援
公益財団法人新井財団が歴史的建造物助成事業に選出
檜皮屋根の補修などに553万円助成
公益財団法人新井財団(理事長・新井太郎)は、令和7年度に募集していた歴史的建造物等保存修復助成事業について、宇陀市の県指定有形文化財「海神社(かいじんじゃ)」本殿建造物保存事業など全国5つの事業を選出しました。
同事業は、「日本の美意識を後世に継承する」をテーマに、国指定の文化財以外の建造物(歴史的町並保存地区を含む)のうち、保有・継承・管理している地方自治体、及び日本国内の非営利団体(宗教法人、公益財団法人、学校法人等)に対して助成する制度です。観光地や名跡に限定せず、自治体と地域が一体になって保存活動に取り組んでいる事業を支援しています。
今回は18件の申請があり、当財団の選考委員会(委員長、後藤修・元工学院大学理事長)による審査の結果、5カ所の事業に対し計16,416,000円の助成を行うことが決めました。

「海神社」本殿建造物保存事業(奈良県宇陀市)
海神社本殿は、当初は春日造であった独立した2棟の社殿が、江戸時代中期頃に接続され共通の屋根をもつ形に改造されたという特徴を持っています。奈良県内の左右連結式の社殿形式の発展過程を考えるうえで、極めて貴重な遺構とされています。
しかしながら、前回の修理から約35年が経過し、正面の檜皮屋根の破損による雨漏りや、柱の著しい傾斜による組物の外れ、さらには長押や柱などの彩色の剥落が進行しており、早急な修理が必要な状況です。加えて、地域社会の衰退による氏子の減少や高齢化等の要因もあり、所有者の負担は依然として大きいという課題を抱えています。
本助成を通じて檜皮屋根の葺き替えや修繕などを実施し、貴重な文化財の保護を支援します。また、海神社は日本遺産「室生寺」の最寄り駅、近鉄室生口大野駅の近くにあり、宇陀市のまちづくり基本計画による駅周辺の整備等とあわせて、地域振興への一層の寄与も期待されています。
後藤治 選考委員長の話
過疎化による氏子の減少や高齢化が進んでいるが、地域振興に寄与する建造物として丁寧な修理を期待したい。
新井財団7年度助成採択事業
旧日夏村役場改修事業
滋賀県彦根市日夏町 助成額1,330,000円
熊谷市指定有形文化財「常光院本堂」茅葺屋根葺替修理事業
埼玉県熊谷市上中条 助成額4,000,000円
奈良県指定有形文化財(建造物)海神社本殿建造物保存事業
奈良県宇陀市室生大町 助成額5,536,000円
信岡家住宅東蔵保存活用事業
広島県福山市新市町戸手 助成額3,080,000円
旧安藤家住宅補修事業
兵庫県明石市材木町 助成額2,470,000円
公益財団法人新井財団について
昭和60年に設立。令和6年度より、社会経済の発展と文化財の保護を図り創造的で豊かな社会生活の実現と我が国の文化の発展に寄与することを目的として、歴史的建造物及び街並みの保存及び活用に関する文化財分野への助成を行っています。
https://arai-f.or.jp/
海神社、写真素材についてのお問い合わせ先
奈良県地域創造部文化財課建造物係
〒360-0107奈良市登大路町30番地
電話 0742-27-9865
新井財団および助成事業についてのお問い合わせ先
公益財団法人新井財団
〒130-0022 東京都墨田区江東橋2-8-3
電話03-3632-8381
事務局長 上原

