公益財団法人 新井財団 | 歴史的建造物修復・文化財保存支援の専門助成

助成実績

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高田家の酒蔵保存修理の助成成果取材について

日時 令和6年2月26日(月)〜27日(火)
場所 鳥取県倉吉市西仲町

はじめに

「高田家」は、東伯の商業の中心地である倉吉市西仲町の重要伝統的建造物群保存地区(以下、重伝建地区)内にある老舗の造り酒屋である。重伝建地区内には2軒の造り酒屋があるが、現在、当地で醸造しているのは「高田家」店だけである。それは、ご当主の長男(高田酒造代表取締役 高田昌樹)が酒造りを引き継いでくれたからである。 

令和5年度の当公益財団の助成対象となった「高田家醸造蔵」は後期〜明治期にかけて建てられおり、本町通りに面する間口5間(5.4m)から裏手の玉川まで続く南北約50m規模の大きな酒蔵である。長年にわたる酒造りにより建物の梁、柱や土台などの老朽化が進み、建物が傾くなど酒造りに支障をきたしていた。

今回の助成額300万円によりそれらの修理が行われ、終了したので、倉吉市文化財課蓑田拓郎さん、岡本 稔さんとともに高田家にお伺いし、その成果を拝見した。なお、詳細は、後日提出される成果報告書を参照。

修理の成果

  • 当日は、仕込みの真っ最中であったのにも関わらず、ご当主、奥様、ご長男が迎えてくれた。「助かりました。ありがとうございました。」とご当主が何度もお礼のお言葉を口にされ、とても恐縮した次第。
  • 修理工事は、酒蔵の傾きを直し、梁、柱、土台などの構造体の修理が中心に行われていた。工事は、地元の熟練大工が行い、創建当時と同じ種類の材木である杉、ヒノキ、アスナロを適材適所に用いていた。傷みの著しい箇所は全体を取り換えていた。また、傷みの少ない箇所は、伝統的な継ぎ手を用いて新旧の材を繋いでいた。
  • きちんとした修理工事がおこなわれ、酒蔵に新たな命が吹き込まれた感じを受けた。
  • 工事の成果や高田家の皆さんのお写真を撮影した。
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